回転ベッド・昭和遺産ラブホテルについての個人的見解

先日のTV放送について、回転ベッドって今でもOKなの?と、DMやお問い合わせよりご質問いただきました。

私自身、未だ勉強中であること、法律や経営についてはド素人ですので、私が取材・調査で得た情報をまとめたもの…という感じでご一読いただけたらと思います。

回転ベッドが禁止、といわれることについて

回転ベッドの製造が禁止されているわけではありません。数年前からリクライニング付きのものが製造されていますし、個人向けの販売もあります。ただ、今は円形ベッドと呼称されることが多いです。
そして、設置についても禁止されているわけではありません。現状、設置・稼働しているものもあります。

風営法適用の定義

そもそも、回転ベッドが置けるか否かは、どういう営業方法を適用するかで決まります。
建物の構造や設備・立地等、数ある条件の組み合わせにより、「ラブホテル」と定義されますが、その「建物の構造や設備」の一つが回転ベッドや鏡張りであり、これがあるホテルは風営法の適用となります。
よく言われる1985年の風営法の改正については、この時に警察の管理下に入るのを嫌った経営側が、風営法適用となる回転ベッドや鏡張りを撤去して、旅館業法での営業に変更したと言われています。さらにこの頃には、シンプルな内装が流行の兆しをみせ始めたことも撤去を後押しする形になってしまったのではないかと思います。
結果的に、営業方法を定義する建物の構造や設備、立地等の制限に、経営者の方針も加わって昭和遺産ラブホテルは衰退したと考えています。

風営法の制限と既得権

風営法というのは様々な制限があります。前述のとおり建物の構造や設備・立地や資金調達の面でも制限が出てきます。しかし、当時は膨大な数のホテルがあったため、既得権で、現状維持ならばOKという特例もありました。それらが、現在も回転ベッドなどを置くホテルに該当すると思いますが、この現状維持は「一代限り」とされています。個人での風営法適用は、登録した個人が廃業してしまった場合、既得権を含む風営法の適用は新たにできません。また、法人の場合はその限りではなく、法人まるごと譲渡する場合は、法人が残っている分には現状継続されるようです。

以上のことから、この既得権を維持するための制限をクリアできる分には、内装を維持・新装したり、前述の新しい円形ベッド(回転ベッド)を設置することも可能だと思います。

新設について

ただし、立地に関しては地方自治体も条例を設けて制限しています。その他の制限や条件を考えても、新たに風営法を適用したラブホテルを建設することはかなり難しいことではないかと思われます。
また、風営法というのは、数年ごとに改正されており、年々厳しい制限が加えられているように思います。ラブホテルに限らず、周辺地域への配慮が重要視されている昨今、今後のことを考えても、やはり新設は難しいのではと思います。

「事実上」の問題

風営法適用については、各種制限や条件が複雑に絡み、またそれはホテルの構造や設備によってまちまち、ケースバイケースであることから、端的に言うと「新設は無理」という結果になるのは必然であると考えます。
「端的に」と書いてしまうと一抹の希望もあるかと思いますが、事実、特殊ベッドを製造していたビケンズベッドさんは1985年の風営法の改正にともなって、特殊ベッドの製造をやめ、普通のベッドの製造への方針転換を余儀なくされました(詳しくは「あまみのラブホ探訪vol.2」のインタビューをご参照ください)
法律というのは様々な見解があるでしょうし、その限りではないのでしょうけれど、そこまでの手間と時間とお金をかけてまで、昭和のころにできたようなラブホテルを新規開業したいという奇特な方は、悲しいかな、いらっしゃらないのではないでしょうか。

よって、「回転ベッドを置くことによる運用上のデメリットが大きい」、引いては、そういったケースに当てはまるホテルの場合、経営的観点から見て回転ベッドの設置は難しい(=事実上の禁止宣告のようなもの)という見方もできるかな…と個人的には感じています。

消えゆく運命…

私自身は、昭和の時代に作られた官能的で、豪華で、それでいて現代に儚く生き残る姿…昭和遺産ラブホテルの、そんな姿に惹かれています。様々な見解はあると思いますが、いずれこの世から「昭和遺産ラブホテル」が消えることはあっても、増えることはないと思っています。

以上は、あくまでも個人での取材や調査に基づく見解ですので、間違い等ある場合もあるかもしれませんが、何卒御了承くださいますようお願い致します。
また、今後の取材や調査で新たに判明したことがあれば、随時追記という形で記録していきたいと思っております。