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ラブホテルが舞台の映画『ホテルローヤル』を観ました

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先日、2020年11月13日(金)公開の映画『ホテルローヤル』を観ました。

配給元のファントム・フィルムさまより、オンライン試写会にご招待いただき、鑑賞させていただきました!

原作はもちろん拝読していて、定期的に読み返すくらいとても大好きな作品なので映画化を知ってから嬉しくて公開が待ち遠しい日々……。そんな中オンライン試写会にご招待いただいて飛び跳ねるくらい大喜びしました。

公開前の作品ですので、もちろんネタバレのないように書いております。公式サイトからの引用などはしておりますが、その点はご安心いただけるかと思います。

公開までのワクワクを共有できましたら嬉しいです。

目次

『ホテルローヤル』の原作について

桜木紫乃さんの代表作とも言える、同名小説『ホテルローヤル』を原作に映画化されたのが本作品です。

原作小説『ホテルローヤル』は、2013年に発売されました。同年第149回直木賞を受賞し、累計発行部数90万部の人気作。

北海道は釧路町。釧路湿原を背に建つ「ホテルローヤル」を舞台に、ラブホテルの利用客や清掃係など、人間模様が繊細に描写されている連作小説です。

そしてこの作品で特筆すべきは、作者・桜木紫乃さんのお父さまが経営していたラブホテル「ホテルローヤル」をモデルにしたものであるということ。

現在は解体され、ホテルは現存していませんが、作中に登場する景色や街の様子は今でも残っているところがあるようです。ストリートビューでも確認できるので、作品を読んだ後はオンライン散歩も楽しいですよ。

映画『ホテルローヤル』について

本作のあらすじを引用します。

北海道、釧路湿原を望む高台のラブホテル。雅代は美大受験に失敗し、居心地の悪さを感じながら、家業であるホテルを手伝うことに。アダルトグッズ会社の営業、宮川への恋心を秘めつつ黙々と仕事をこなす日々。甲斐性のない父、大吉に代わり半ば諦めるように継いだホテルには、「非日常」を求めて様々な人が訪れる。投稿ヌード写真の撮影をするカップル、子育てと親の介護に追われる夫婦、行き場を失った女子高生と妻に裏切られた高校教師。そんな中、一室で心中事件が起こり、ホテルはマスコミの標的に。さらに大吉が病に倒れ、雅代はホテルと、そして「自分の人生」に初めて向き合っていく・・・。

https://www.phantom-film.com/hotelroyal/

さらに、サイトに掲載されている登場人物の紹介を読むと、原作を読んだ方の中には「ん?そんな設定だったっけ……?」と違和感を覚える方もおられるのでは。

映画公式サイトに掲載されているインタビューに、違和感に対する答えがありました。武正晴監督は下記のようにお話しされています。

Q.原作を読まれた時の印象は?
―普段小説はあまり読まないのですが、本作はとても面白かったです。映画を撮り続けていると、こういう素敵な出会いがあります。原作の一番の魅力は、連作だけれど、実はひとつひとつが全部裏で繋がっていて、それを読み解くのがすごく面白いこと。ただこれを映画化するには、原作をいじらないと作れないと感じていました。そこを原作の桜木先生が快諾してくれたのは、本当に感謝しています。

https://www.phantom-film.com/hotelroyal/

さらに、「原作を読んで「ホテルローヤル」というホテルそのものを主人公にできないかと妄想した。」とも述べています。

原作では、ラブホテルに出入りしている男女や、そこに生活がある人間を丁寧に描いています。そのため、登場人物が移動すれば舞台も移動するわけですが、映画でははっきりと「ホテルローヤル(と、その中の一室)」を主軸に構成されています。監督の妄想どおり、これはラブホテルが主人公の映画になっているのです。

そして、この作品の“人間の”主人公、波瑠さん演じる「雅代」の陰鬱な心理描写もまた見所です。

ホテルローヤルに「非日常」を求めてやってくる男女と、ホテルローヤルという「日常」に苦しい思いを感じながらも身を任せるしかない雅代。ホテルローヤルという限られた場所で展開される人間模様は、「日常」と「非日常」のコントラストを強め、比例するように人々の思いを濃くして、観るものの心をかき乱します。

私は、ラブホテルという場所には、そこに来た人間・そこにいる人間の人生や思い、欲が蓄積されていると思っています。そして、どんな人生であれ、どんな形の愛であれ、否定も肯定もせず心地よい時間で包んでくれる。そんなラブホテルは人生の縮図であり、懐の深いあたたかい場所であると思っています。

この映画にも私はそれを感じて、苦しくなったり、あたたかい気持ちになったり、まるでホテルローヤルにいたような気持ちになる104分でした。

気になるのはラブホテル

このサイトを見てくださっている方は、舞台のラブホテルについてもとても気になっていると思います。

このツイートは、オンライン試写会に参加する前のもの。その答えは……というと、それはぜひ、劇場で確かめていただきたい!エンドロール最後まで見る派は大勝利です。

舞台のラブホテルについては、あれこれ気になることや書きたいこともあるのですが、ネタバレになってしまいそうなので、公開後あらためて観賞して書いてみたいなぁと思っています。

まずは、映画.comで公開されている写真をみて、あれこれ想像してみてはいかがでしょう?

映画『ホテルローヤル』詳細

2020年11月13日(金)全国ロードショーです。公開劇場は公式サイトで確認できます。

https://www.phantom-film.com/hotelroyal/

出演

波瑠 松山ケンイチ
余貴美子 原扶貴子 伊藤沙莉 岡山天音
正名僕蔵 内田慈 冨手麻妙 丞威 稲葉友
斎藤歩 友近 夏川結衣 安田顕

原作

桜木紫乃「ホテルローヤル」(集英社文庫刊)

監督

武正晴

配給・宣伝

ファントム・フィルム

予告編

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昭和ラブホ・平成ラブホ探訪家の「逢根あまみ(あいねあまみ)」が、マジメに、思いのままに、ラブホテルにまつわるあれこれを書き連ねる、“チラ裏的”ニュースレターです。
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この記事を書いた人

昭和の趣の残るラブホテル=昭和遺産ラブホテルの記録・レポートをするユニット「終末トラベラー」主宰。昭和遺産ラブホテル、終末観光地の記録をしています。昭和遺産ラブホテル同人誌「あまみのラブホ探訪」の発行、トークイベントなどもしています。

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