『でんきくらげ』は、1970年(昭和45年)に公開された日本映画。増村保造監督の作品で、渥美マリ主演。「軟体動物シリーズ」の第3作目にあたる作品。
この作品は、主人公・由美が、自分の美貌と肉体を武器に成り上がっていく物語。由美は銀座のクラブで売れっ子ホステスとなり、数々の男を魅了し、やがてクラブのオーナーの妾になる。月に100万の愛人契約を結ぶも、オーナーは心臓麻痺で死んでしまう。オーナーの死を喜ぶ親族たちを目にした由美は、なんとか遺産を相続する方法を考え、以前から慕っているクラブのマネージャー・野沢に相談する。野沢は「オーナーの子どもを妊娠していれば、遺産のすべてを子どもが相続できる」と伝え、由美は野沢に妊娠させてほしい、とお願いする……というところで、いよいよ野沢が「モーテルへ行こう!」と由美に告げる。
モーテルと思しき場所へ、場面が切り替わる。服を脱いで、野沢と抱き合う由美。そしてその背後にはベッドがあるのだが、これ回転ベッドじゃない?
ベッドになだれ込み、野沢と由美は行為に及ぶ。ゆっくりとベッドが回転し、その上で一戦を終えた二人は、ピロートークもきりの良いところで回転ベッドのスイッチをオフ。押すと同時に、白く光るスイッチが暗くなった。このベッドは光でオンオフを示すらしい。
起き上がる野沢にひっつくように、起き上がって抱きつく由美。紆余曲折あって、ついに結ばれた二人だったので、由美はまだまだ、と懇願する。もう朝だしとたしなめる野沢を無視して押し倒す由美。
ここでスイッチパネルが大きく写る。さっきは回転を止めるために、向かって右のスイッチを押していたけど、それ以外のスイッチはどういうものかまったくわからない。
由美は「もっと!めちゃくちゃにして!」とスイッチをオン、再び回り出すベッド。動かすときも、停止時と同じスイッチを押していたので、回転方向は一方向、停止と回転を同じスイッチで切り替えるようになっているのだろうか。現状、右回転・左回転・停止の3つのスイッチがある回転ベッドをよく見かけるのだけど、この当時は1つだけだったのかもしれない。
二人のボルテージが(おそらく)高まるとともに、なぜか回転ベッドのスピードもアップ。ビュンビュン回る回転ベッドの上で、由美と野沢は交わる。
「こんなに早く回るわけないでしょうが!」とツッコミたくなる速さ。仮にこの速さで回るとしたら危ないよなぁ。
ベッドサイドは合わせ鏡になっていて、高速で回るベッドとふたりの姿が幾重にも映しだされている。鏡張り、というほどの面積ではないような気もするが、ここも回転ベッドと鏡が効果的に使われた部屋だったようだ。
映画の結末は本編を観ていただくとして、ラブホテルや回転ベッドの様子は数秒ではあるものの、貴重な資料に違いないのでメモとして残しておこうと思う。
映画『でんきくらげ』は2018年5月現在、Amazonprimeビデオでも鑑賞できるので興味ある方はぜひ。
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