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【岩国市・ホテルかぐや姫 117号室】ヤギにエサやり体験ができるアットホームなラブホテルに行ってみた

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山口県岩国市にある、ヤギにエサやりができるというラブホテルに行ってみた。まったく想像ができないが、一体どんなラブホテルなのか。

目次

ヤギのいるラブホテルを見つけた

Instagramのおすすめに、とあるラブホテルの客室写真が流れてきた。風流な露天風呂の写真に混じって、何故かヤギの写真が投稿されている。はてさて、ヤギがお好きなのかしら……とタップしてみると、なんとヤギをラブホテルで飼っているとのこと。

それどころか、

お部屋でエサを売っているので、エサやり体験ができます

と書いてある。

動物を飼育しているラブホテルというのは、ままあるのだけれど、ヤギにエサやり体験できるというのはあまり聞いたことがない(昔のまちBBSで、数件それに類するものを見かけたことはあるが真偽の程は定かではない)

そもそも、どのような形でエサを売っているのかも気になる。まさかコンビニBOXで売ってたりするのか?それだったらめちゃくちゃユニークで最高だ。

これはなんとしても、ヤギにエサやりをしたい。ラブホテルで!……という訳で、私たちは山口県岩国市へ向かった。

いろり山賊からほど近い場所

山陽自動車道・玖珂ICを降り、国道2号で岩国を代表する観光名所「いろり山賊」の前を走り抜ける。通り過ぎる飲食店やホテルを眺めていると、往年の国道2号を少し感じられる気がした。

いろり山賊から数分、東側に現れたのが「ホテルかぐや姫」だ。

以前の外観、今の外観

実は2015年に一度訪れていて、その時は時間の都合で外観のみ撮影していた。

当時は男女の写真が掲示されていたのだけど、今はヤギの写真だ。

ヤギの写真を貼っているからって、中に入って本当にヤギがいるなんて、通りすがりだったら全然想像もつかないだろうな、なんて考えてワクワクが止まらない。

敷地には広い庭

エントランスを入り、右手に入って行くと、敷地の中央にはどーんと広い庭のようなスペースがある。柵があるので、ここにヤギが暮らしているのだろう。それにしても広い。広すぎてヤギが見つからない。本当にいるのだろうか……。

訪問時は在室中のお部屋も多い状態だった。いくつか希望があったのだけど、そのうちの1つが運良く空いていた。今回は117号室へ、いざ入室!

水回りが綺麗!

客室はお手入れがされているようで、水回りは綺麗にリニューアルした様子。特に洗面所はとても綺麗な状態だった。

メインのお部屋、目玉は露天風呂

メインの部屋はベットが数段高い位置にあり、リビングとベッドにスペースがあるので部屋も広く感じる。

この客室で特筆すべきは露天風呂で、自然豊かな露天風呂が楽しめる。山に囲まれたエリアなので、多かれ少なかれ虫はいるため、苦手な方にとっては穏やかではないかもしれない。しかし、時期を選べばその心配も少なくなるだろう。

内風呂もあるので、湯船だけ楽しむことができるのも利点だ。

ベッドはクラッシュベロア張りで昭和の趣

また、ベッドは鮮やかな紫のクラッシュベロアを使用したものだ。部屋自体は綺麗に手入れされているが、ベッドには当時の趣を見て取れる。

ヤギのエサを買う

さて、今回の最大の目的、ヤギへのエサやりをせねばならない。

部屋でエサを売っている、とのことだが……。

部屋を見渡すと、冷蔵庫に写真が貼っている。どうやらこの中にあるようだ。

ドアを開けると、一番下の段、システム冷蔵庫でヤギのエサを売っている……!

あちこち巡ってきたけれど、システム冷蔵庫で動物のエサを売っているのは初めて見た。

しかしさっき、庭にはヤギはいなかったし、そもそも部屋は出入りして良いのかわからないし(通常ラブホテルでは、出入りの際は内線で解錠してもらったり、前金を払うシステムになっていることもある)いろいろ不安だったので、一度内線で確認してみることにした。

ヤギのエサやりは今日できますか?とおたずねすると、電話口の男性は少し笑っているような優しい声で

できるんだけど……ランちゃん雨が嫌いでねぇ、呼んだら多分来ると思うんだけど。117号室のすぐ前の小屋で雨宿りしてると思います。私も行ってみますので、どうぞエサやりしてみてください

と言ってくださった。

ランちゃんというのは、ヤギの名前だ。元気で走り回る子だったので「ラン(RUN)」と名付けられたそう。走り回るだけでなく、木の上にのぼるときもあるとのこと。とにかく元気な子なのだとか。

受話器を置いて、ラブホテルの内線でヤギの話をしてるなんてなんだか不思議だなぁ、と思いながらシステム冷蔵庫のレバーを押してエサを買った。そもそも、システム冷蔵庫でエサを買うのも不思議である。

ヤギのランちゃんと対面

数々の「非日常」を不思議に思いながら、外へ出た。117号室の前、柵の向こうに小屋がある。

エサを持っていることがわかったのか、すぐにこちらに寄ってきてくれた。

犬のように、ちぎれそうなくらい尻尾を振って、サイドステップを踏みながらエサを待っている。なるほど、これは確かに「ラン(RUN)」だな、と思った。

ちょうど、スタッフの方も来てくださり

「手のひらにエサを出してそのまま口元へ持って行くと、うまく食べます。噛んだりしないので安心してくださいね」

と教えてもらい、その通りにするとペロペロと舌をうまく使ってエサを食べる。

たまに柵にガシャガシャと頭突きのような仕草をするが、その頭を撫でると嬉しそうに擦り寄ってくれる。めちゃくちゃ可愛い!

なお、エサやり体験は柵の外からに限定されている。力が強いので、安全のため柵の中には入れない。可愛いけれど、この頭突きは確かに強そうだ。

ちなみに、ランちゃんへのエサやり体験をする利用客は、全体の5〜10%ほどらしく、“本来の利用”をされる人の方が多いそうだ。

https://twitter.com/aineamami/status/1411317924028055558?s=21

あっという間にエサをやり終えてしまい、ジーッとこちらを見るランちゃんに手を振って客室へ戻る。

ぬるい唾液のついた手を、ラブホテルの客室で洗っている自分の姿を見て、なんだか可笑しくて笑ってしまう。ラブホテルには、こんな新しい楽しみ方があるのだ。

新しいラブホテルのかたち

元々、ラブホテルの設備やサービスは非日常を演出する手段のひとつであり、話題性に富んだものが多かった。

昭和における“それ”は、回転ベッドだったり、趣向を凝らした内装だったり、サラダボウルバスだったりしたのだろう。

その後、昭和後期から平成期にかけてラブホテルの「シティホテル化」、あるいは「リゾートコンセプト化」が多くみられるようになる。

それに伴って、先述のような「非日常演出」は時代に置き去りにされてしまった。

しかし、現代においてはラブホテルの多様化も進んでおり、シティホテルのようなもの、リゾートコンセプトのものに加え、非日常感のあるものや写真映えのするもの、そしてオーナーのライフスタイルが反映されているラブホテルも増えてきた。

オーナーの趣味や好きなもの、もっと言えばライフスタイルが落とし込まれたラブホテルは、新潟の猫の森ホテルや、このホテルかぐや姫もそうだろう。

現に、ランちゃんは元々、別の場所で飼われていたが、ホテルに移住することになり、以降ここで飼育されているそうだ。

今後、飼育数を増やしたいという思いもあるようで、これからのホテルかぐや姫がどうなっていくのか、すごく楽しみだ。

参考価格:休憩 3,800円
(週末、昼間2時間ほどの利用。内、エサ代100円含む)
利用料金、設備は2021年訪問当時のものです。料金は、利用日・時間帯によって変わることがあります。この記事の限りではありませんのでご注意ください。

ホテルかぐや姫 詳細

住所:山口県岩国市大山729−1

 
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昭和ラブホ・平成ラブホ探訪家の「逢根あまみ(あいねあまみ)」が、マジメに、思いのままに、ラブホテルにまつわるあれこれを書き連ねる、“チラ裏的”ニュースレターです。
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この記事を書いた人

昭和の趣の残るラブホテル=昭和遺産ラブホテルの記録・レポートをするユニット「終末トラベラー」主宰。昭和遺産ラブホテル、終末観光地の記録をしています。昭和遺産ラブホテル同人誌「あまみのラブホ探訪」の発行、トークイベントなどもしています。

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