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在りし日のラブホテル ホテル皇帝【大阪・守口】

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大阪府守口市。大阪市の鶴見区や旭区等に隣接し、ベッドタウンで知られる。隣接する門真市を取り囲むような形をしていて、車で「大阪中央環状線(大阪府道2号)」を走っていると、いつの間にか大東になり、鶴見になり、門真になり、守口になるという、位置関係が掴みにくい場所だ。

そんな守口市の大阪中央環状線沿いに「ホテル皇帝」というラブホテルがあった。

逆光での撮影で真っ暗な写真、無理やり明るくしたら色が……。今となっては貴重、ということで堪忍してほしい。

前を通ることは頻繁にあって、昔から存在は認識していた。2015年夏頃、敷地内に車を走らせた。

「P」の下半分が矢印になっている。Pの中には「空」のサインも。情報量の多い「P」だ。

中はいわゆるモーテルタイプで、客室それぞれに駐車場があり、階段で客室に移動する形だった。

部屋番号の下には、客室の名前が書かれていた。「ピカソ」「コートダジュール」「エスポワール」などがあった。フランスからイメージしたのだろうか。

また、休憩時間は「ホップ」「ステップ」「ジャンプ」の3種類で展開されており、それに宿泊が別途用意されていた。いずれも安価だ。

駐車場のはしっこには、いくつかの自転車がとまっていた。多分、スタッフのものだろう。なんとなくスタッフの年齢層が垣間見えて、そこはかとない安心感を感じたことを覚えている。

ちょっと入ってみようかな、と思ったものの、機材を積み忘れてたことに気付く。近場だとついつい気が緩んでしまうふしがあり、とんだおとぼけ野郎である。自分にいらいらしながら、またすぐ改めようと、後ろ髪をひかれる思いでホテルを後にした。

それから、すぐ。季節は秋になったころ。また前を通ったらなんだか暗い。あれ?と思って大慌てで戻ると、入り口にはバリケードが置かれていた。何度この「また今度」を繰り返せば気が済むのか。私は本当に懲りない馬鹿である。

廃業を確認してからもしばしば前を通っていて、半年ほどたったある日の夜。窓に明かりが点っていた。バリケードも外れ、どうやら人の出入りがあるようだった。

ラブホテルがアパートや、会社の寮に転用されることはしばしばあるので、ここもそうなのかもしれないなぁ、と思っていた。それからもしばらく通りがかるたびに車窓からその姿をみては、窓の明かりを気にしていた。

2015年秋頃に閉業し、2016年春には窓の明かり(転用?)を確認、そこからさらに時がたち2017年の冬。

ラブホテルにかかる、このグレーの防音シートは死亡宣告。私にとっては「顔掛け」と同義だ。

すでに半分以上が解体済みだった。何かに転用され、第二の人生(というのも変だが)を歩んでいくものだと思いこんでいたから、急に寂しさがこみ上げる。

低くなってしまった建物を見上げて、お別れを言う。

時間が経てば、この悔しさや寂しさも薄れてしまって、また同じことを繰り返してしまうかもしれない。でも、「次」や「今度」や「いつか」や「絶対」の保証なんて1mmもないのだ。ことあるごとに、自戒していくしかない。もっと向き合うために。

couples

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この記事を書いた人

昭和の趣の残るラブホテル=昭和遺産ラブホテルの記録・レポートをするユニット「終末トラベラー」主宰。昭和遺産ラブホテル、終末観光地の記録をしています。昭和遺産ラブホテル同人誌「あまみのラブホ探訪」の発行、トークイベントなどもしています。

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