ラブホテルが点在する小さな街。古いビルもあって、非常に雑多な印象を受ける街だ。そんな街にあるのが、今回ご紹介するラブホテルだ。古い航空写真をみたところ、1970年代にはすでにこの街に存在していたと思われるこのラブホテルには、昭和の面影が多分に残っている。その証拠に、回転ベッドが綺麗に現存しているのだ。
ラブホテル到着
週末の夕方ごろ、ラブホテルへ到着。まだ暗くなる前の時間なので、人の姿もまばらだった。建物の中に入ると「奥に案内パネルがございます」の表示。表示にしたがって角を曲がると、さっそく豪華な階段が目に入る。吹き抜けになっていて開放感があって照明も美しい。
さすが週末、空室はまさかの2部屋。これは厳しい、と思いきや第一希望の部屋が空いていた。ラッキー!!
どうやら一番高い部屋のようで、それが理由なのかもしれない。今回の目的の部屋は比較的面積の広い部屋のようだ。
玄関
玄関は比較的小さめ。二人なら問題ないだろうが、大荷物の場合は手間取ってしまうかもしれない。玄関には、利用料金や滞在時間を確認できる表示があるので、サービスタイムやショートで楽しむ場合はここをチェックすると安心。
内ドアを開けると、正面に水回り、右手後方にリビングとベッドスペースとなっている。
水まわり
まずは水まわり。洗面台はごくごく一般的な広さで、不自由さは感じない。サーモスタットなので使いやすさも問題はない。
トイレはうすい水色とベージュを基調にしていて、清潔な印象。トイレに入るとなぜか小鳥のさえずりが聞こえてくるというさわやかなシステムも導入されている。
バスルームは少しコンパクトな印象はあるものの、床暖房付きで寒い冬も気持ちよく入浴できるのが嬉しい。バスタブは段差があるので半身浴など長めの入浴もできそう。バスタブの水栓は2ハンドル混合水栓だが、シャワーはサーモスタットなので、ここも使用感は問題ない。入浴剤、ボディスポンジも用意されているし、シャンプーのレンタルもある。
また、バスルームの横にはシャワー室も完備。こちらはシャワールームなので非常にコンパクトだけど、さっと汗を流したいとときには重宝しそうだ。シャワー室なのにここにも入浴剤が設置されているのは謎。
アメニティ
老舗と言えどアメニティは充実していた。
女性向では、洗顔料・化粧水・乳液・ヘアウォーターがボトルで、クレンジングはパウチのものが置かれている。
そのほか、
- 歯ブラシ 2本
- ヘアバンド
- コットンセット
- ヘアブラシ
- マウスウォッシュ 2こ
- あぶらとり紙
- ローション(パウチ)
ドライヤーは備え付けのもののほかに、レンタル品も準備されている。
リビング
さきほどのリビングに戻ってきた。主な設備としては、エステマシーン、なぜか数が多めのソファ、カラオケ、プレステ、プロジェクター。
コンビニボックスや自販機冷蔵庫もあるが、持ち込み用の冷蔵庫はない。自販機冷蔵庫の一番下に少しだけスペースがあるので、そこに飲み物を入れておくくらいはできそうだ。
アルコールやソフトドリンクなど、無料のドリンクサービスのほかに、部屋備え付けのお茶セットも充実していた。
コーヒー・お茶・紅茶・コーンスープ・ミルクティ・梅こぶ茶がそれぞれ一つずつ。そしてミネラルウォーター500mlが1本用意されている。
灰皿とマッチはきちんとロゴの入ったものが用意されているので、これもまた嬉しいポイントのひとつ。ライター・マッチと並んで好まれるメンバーズカードも、自販機冷蔵庫で購入できる。ハードタイプのカードだった。
ベッドルーム
さて、ラブホテルの主役とも言える、この部屋のベッドはどのようなものなのか。豪華なレリーフが施された柱の向こうに、その主役は鎮座している。
球体型回転ベッド!特殊ベッドメーカー「ビケン」の「マリンボール」(同人誌 あまみのラブホ探訪vol.2参照)に見えなくもないが、操作盤に製造メーカーの名前がない。他の部屋にある回転ベッドが他社製と思われるので、その線が有力だとは思うが、現在のところは不明である。
操作盤は、横型ではなく縦型で、右回り・停止・左回りと並んでいる。問題なく稼働していて、大きな音が出たりすることもなく動きもスムーズだ。
壁には水玉模様のように鏡を配していて、天面にも鏡と照明が。丸みが生かされた可愛らしいデザインだ。反面、壁や柱のクリーム色に映える、ビビッドな紫色が艶やかでもある。
退室
退室時は、玄関にある料金表示パネルの「お帰りボタン」を押してから部屋を出る。1階にあるフロントにて料金を支払い、ホテルを出る。
まとめ
外観もお部屋も、十分に当時の空気を感じることができるものの、適度にメンテナンスがされていて、清潔な昭和遺産ラブホテルだった。料金表をみたところ、宿泊料金も手頃な価格なので宿泊でも利用しやすい。
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