MENU
カテゴリ

【和歌山県海南市・シークイーン海南】元ラブホテルとして鑑賞しよう

  • URLをコピーしました!

この記事は、ニュースレター「あまみの古今東西ラブホテル紀行」にて配信した記事を再編したものです

目次

ラブホテルであった場所について書くということ

数年前から、ラブホテルから業態を変えたお店に行くのが楽しく、旅の目的になることが増えました。

ラブホテルが閉業し、何かに転用されることは少なくありません。

その用途はアパート・飲食店・福祉施設・事業所、そしてシティホテルなど多岐にわたります。

福祉施設や事業所などへは、用事がないので立ち入りはできませんが、飲食店やシティホテルは普通に利用できます。これらの中には昔の名残が感じられるホテルもあって、とてもおもしろいんです!

昭和の、ギラギラしていたり、妖艶なデザインのラブホテルは、言わずもがな素晴らしい。でも、あちこちに時代のカケラがあるような、宝探しのような楽しさが、元ラブホ物件にはあるのです。

とは言え、一般的にラブホテルには「悪いイメージ」を持たれることが往々にしてあります。

飲食店などはさておき、ラブホテルからシティホテルに業態変更することは、それなりのメリットがあるのだと想像します。ですから、屋号をだして「ここは元ラブホです! ここも、あれも、ラブホ時代の名残だー! 最高ー!」って言っていいのか……? というのはずっと自問自答していました。

今回ご紹介する「シークイーン海南」は、2012年にシティホテルへ業態変更をしたホテル。

各種予約サイトや、Googleマップでの口コミにもたくさんの「元ラブホです」という言葉が溢れ、関係者による返信にもそのような記載があるので、このような形で記事を作成しました。

元 人魚のおさんぽ

このホテルは、それまで「人魚のおさんぽ」という屋号のラブホテルとして営業していました。

国道沿いに面したラブホテルで、車の通りも多い場所です。わたしも、過去何度かこの前を通ったけど、人魚のおさんぽ時代には伺ったことはありません。

現在はシティホテルなので、じゃらんや楽天トラベルみたいな旅行サイトにも当然掲載されているし、私も旅行サイトから宿泊予約をしました。

ガレージはまさに……

海南市・国道42号を北上すると左手に見えてきます。ホテルの手前の信号を左折するとスムーズにガレージに入れます。

入口が真っ暗で驚きましたが、入っていくとセンサーライトでパッと明るくなりました。建物の1階部分がガレージになっており、まさにラブホテル……と行った様子です。

翌朝撮影。それでもガレージは暗め

例えば、ガレージ奥の壁には、観光地らしき写真が貼られています。

よくよく見ると、それぞれの写真の横にドアがあり、内線もあります。写真の下には、センサーらしきものも。

さらに天井に目をやると、駐車スペースごとにカーテンレールのようなものがあります。

シークイーンのガレージ。一般的なホテルではパーテーションは見かけません
こちらは以前奈良にあったワンガレージワンルームタイプのホテル。雰囲気が似てませんか?
ガレージは元ラブホテルの要素があちこちに

これらいくつかのポイントを見る限り、当時はワンガレージワンルームタイプのラブホテルだったのかな、と想像できます。

ここまででテンションが一気に上がっているわたしですが、さらに壁にはこんなサインが掲示されています。

「クラウン幅」に時代を感じます。多かったのかなぁ

思わず「ぎゃー!」と声が出ました。ここまで残ってたら、もう「人魚のおさんぽ」なのでは!?

入口、廊下など共用部分も目が離せない

早速荷物を担いで、フロントへ向かいます。

自動ドアを入ると、足元のマットの下にまたもや人魚の一部が。ワンガレージワンルームのホテルだったということは、お客さんはガレージから直接部屋へ入室してたはずで、ここへは入らなかったはず。それなのにここにも人魚のイラストが登場するとは、芸が細かいですね。

フロントはこの上

フロントは2階とのことなので、階段で移動します。各旅行サイトにも記載がありますが、エレベーターがありません。足の不自由な方は利用しづらい部分かもしれません。

ただし、荷物運搬用のエレベーターはあるようです。今回は使用しなかったので、常時使われているかの確認はできませんでした。

これはホテル伍萬石のバックヤード。左端の赤い部分がリネン用エレベーターです。似たようなものがありました

フロントには誰もおらず、声をかけると男性が出て来られ、対応してくださいました。事前に決済していたので、鍵の受け渡しのみです。

今回のお部屋は3階なので、階段でもう1フロア上に行きます。こちらの階段の踊り場には、このホテルの女将と有名人との写真が掲示されています。

3階に到着するとまたも真っ暗でドキッとしましたが、ここもセンサーライト。歩みを進めるとパッと照明がつきました。

廊下にはユーティリティールームなるものがあり、洗濯機・レンジ・オーブントースターが設置されています。洗濯機のみ有料で、フロントへの申し出が必要です。

客室ドアの横には「施錠解錠」「開始完了」と書かれたスイッチパネルが各々のドアにあります。これも本来ラブホテルのバックヤードで見られるもの。

ラブホテルの支払い口の名残

入室してすぐのところに、料金表示のボックス・謎のボックス・支払い口もあります。

これがあるラブホテルでは、在室中の時間と料金がボックスに表示されています。

(1)退室時にフロントへ電話する
(2)スタッフが支払い口に料金を回収しに来る
(3)部屋のインターホンが鳴る
(4)支払い口を開け、料金表示ボックスに表示されている料金を支払う

という流れ。

当然、現在はシティホテルとして運営しているので、これらも必要ありません。ですから、支払い口の鍵は固定して操作できないようになっていました。

真ん中の謎のボックスは、おそらくメンバーズカードを読み取る機械じゃないのかな〜と想像します。

ラブホテル時代の客室入口

室内に入ってみます。

部屋入るとすぐ左手にガラスのドアがあります。覗いてみると、向こうにはスロットも置いてあります。

ドアノブにぐっと力を入れるとドアが開きました。右手にスペースがあったので、そちらを覗き込むと立ち入り禁止と書かれたドアがあります。

・外部へのドアが2つある
・入ってきた方は、ラブホテル営業時代バックヤードだった

ことから、このドアがガレージ直結のドアであったと考えられます。

バスルームのガラスも「っぽい」

さらに、入室して目に飛び込んできたのが、このシンデレラ城っぽいすりガラス。

見た時に、もう飛びついて喜んでしまいました!

あんまりにもラブホテル然としているので、部屋をダッシュで駆け抜け、すぐさまバスルームに行きました。すると、床にイラスト入りのタイルが……!!

※何とは言いませんが、いろいろとゆるい時代の名残(著作権的に判断が難しいもの)は、念のために表立って出さないようにしてこっそり楽しみましょうね

タイルは2枚あり、もう一枚のタイルもイラストが入っていて、そちらはイルカのイラストでした。アレとの関連性が謎ですね。

水回りは平成レトロ

洗面台も、平成初期っぽさがあり、今流行の「平成レトロ」を感じさせます。

このサイトでは、「平成アーバンラブホ」と呼んでいますが、まさにそのイメージです。

トイレ・洗面・バスタブはくすみブルーで統一されています。こういった水回りのもののカラーが統一されているのも、ラブホテルっぽさを感じてしまうところです。

メインルームはシンプルで実用的。でも名残も

肝心の室内は、非常にさっぱりとしたシンプルなお部屋です。

大きなテーブルがある畳敷きのリビングエリアと、マットレスが二つ並ぶベッドエリアとで構成されています。しかし、やっぱりよくあるシティホテルとは雰囲気が異なります。

客室は広くて快適です!

例えば、ベッドエリアの天井は円形にくり抜かれています。これもラブホでよく見られるデザインですね。

また、そこには熊野古道のイラストが貼られています。よーーく見ると、解像度が足らずガビガビです。ちょっと間抜けだけど、愛しい気持ちになります。笑

TV台もよくみると「それ」っぽい

キャラ立ちしている女将

そして、置かれているパンフレットは、なぜか武将の格好をした女将がフューチャーされています。

パンフを見る限り、同じようにラブホテル「天使のおさんぽ」から業態を変更したTO(和歌山市)が系列店となっています。そして、梅光園という梅食品の会社が運営に関わっている様子です。

馬のチープさもすごく気になる
とにかく女将推し

設備について

設置されているものとしては、500ml水が2本、お茶パック2個、割り箸2膳と最低限

湯呑みだけなので、お酒を飲みたい方はプラカップなどがあると良いかもしれません。

そして、アメニティはハブラシやかみそりなど、ビジネスホテルにあるものはあります。ラブホテルに比べると必要最低限といった印象ですが、十分かなと思います。

気になるのがお部屋の窓。このお部屋にはバスルームにしか窓がありません。

日光が入らなくても気にならない方は大丈夫ですが、窓がないと窮屈に感じる方は少し不安要素になるかもしれません。

朝のバスルーム。シンデレラ城のすりガラスを透過して室内にも少し光が入ります

私はと言うと、この日遅い時間のチェックインだったのと、朝は少しばかり日光が入ってくるので、特に問題には思いませんでした。

また、部屋の広さの割りにエアコンが小さめなのかな? と思いました。冬なので特に何も思いませんでしたが、夏場はどんな感じか気になります。

翌日は11時にチェックアウトしました。基本的には鍵をフロント設置のボックスに返却するだけのようですが、この日は宿泊フロアの廊下に落とし物があったため、チェックアウトの際に声かけをしていました。

フロントの横で梅食品が売られていたのですが、梅干し昆布なるものが売られていてそれを購入しました。お値段400円。ここにも武将女将が! なんだかアクスタ作りたくなってきました。

アクリルスタンドにしたらピッタリそうな女将 a.k.a.紀州梅将軍

まとめ

シティホテルとして営業しており、また業態はシティホテルそのもの。

ですが、ラブホテル好きの人が行けば興奮できる要素の多いホテルだと思います。

近くにマリーナシティというテーマパークもあり、手頃な価格で広い客室やバスルームが利用できるのも嬉しい点です。

個人的おすすめとしては、ここからすぐのところにドムドムハンバーガー海南店があるので、ぜひお立ち寄りいただけたらな〜と思います!

こちらも昔ながらのドムドムらしさがあって楽しいです。店長夫妻の人柄もすてきですよ!

ホテルシークイーン海南 詳細

住所:和歌山県海南市名高452−2

couples

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

昭和ラブホ・平成ラブホ探訪家の「逢根あまみ(あいねあまみ)」が、マジメに、思いのままに、ラブホテルにまつわるあれこれを書き連ねる、“チラ裏的”ニュースレターです。
ラブホテルにまつわるニュース、ラブホレポート、エッセイ、コラムなどを月1〜3回配信。
昭和レトロ・平成レトロなラブホテルが好きな人、アダルトカルチャーに興味がある人はぜひご登録ください!
購読と登録は無料です。

この記事を書いた人

昭和の趣の残るラブホテル=昭和遺産ラブホテルの記録・レポートをするユニット「終末トラベラー」主宰。昭和遺産ラブホテル、終末観光地の記録をしています。昭和遺産ラブホテル同人誌「あまみのラブホ探訪」の発行、トークイベントなどもしています。

コメント

コメントする

目次