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昭和から平成へ……ラブホテルの変遷について

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昭和の趣が残るラブホテル=昭和遺産ラブホテルをめぐるようになってから、様々な場所へ「ラブホ探訪」しました。数あるラブホテルの中から、昭和遺産ラブホテルを探していると、それはそれはいろんなものに出会います。
当時の雰囲気がそのまま残っているところ、内装の大部分は変わってしまっているけれどなんとなく当時の雰囲気を感じられるところ、面影すらないところ……。
最初の数十軒のときには気付かなくても、見たり訪れたりする数が増えていくにつれ、昭和遺産ラブホテルのほかに無視できない存在が現れました。
それは、バブル期の雰囲気を感じるデザインです。

目次

バブル期のラブホテル

バブル期は1980年代後半から1990年代初頭。回転ベッドや鏡張りなどが制限された、いわゆる「新風営法」の施行前後の1985年(昭和60年)ころから平成に入ってすぐのころになります。

現代に残っている昭和遺産ラブホテルは、1980年代にデザインされたと思われるものが多く、上記のツイートのとおり、この頃になると「昭和」とか「平成」で括るよりも「バブル」で括る方がその雰囲気を捉えやすいような、そういった存在に出会うことが増えてきたのです。

ラブホテルはあくまでも「ホテル」であるため、当然ながら新しく、綺麗で清潔なところが好まれる傾向にあります。それ故、定期的なリニューアルをすることをよしとされ、その流れに乗っているラブホテルも少なくありません。ここでいうところのデザインされた時期というのはあくまでも経験則に基づく推測で、開業年をさすものではありません。

この他にも、斜線(三角をモチーフにした模様)を使用したデザインや、ガラスブロックの使用、ピンク・ミントグリーン・ベージュなどの淡いカラーを多用することも特徴です。窓がある部分に取り付けられている、窓を模した建具がメルヘンチックだったり、出窓風に仕上げられているのも少なくありません。また、中には昭和っぽさ・平成っぽさが混在するラブホテルもあります。

http://www.hotenavi.com/cosmopolis/index.html

命名!平成アーバンラブホ

こういった特徴に都会的な印象を持ち、またバブル期に見られる都会的なものへ憧れる傾向から「平成アーバンラブホ」と呼ぶことにしました。

なぜこういったデザインが増えたのか、明確な理由はわかりません。でも、上記の通りバブル期に見られる都会的なものへ憧れる傾向や、シティホテルのようなシンプルなデザインの流行、新風営法の影響などが主な理由ではないかと考えています。

昭和の趣だけを追っていた初期のころには、こういった場所に出会うと「変わってしまっている!」とがっかりする対象でした。しかし、いろいろな部屋に出会うたび、注意深く見るたび、そして昭和から平成・バブル期の文化に触れる機会が増えるほどに、その変遷期に興味がわきました。

そもそも、未だに自分の中では、昭和遺産ラブホテルの定義自体がふわふわとしているのですが、この「平成アーバンラブホ」の定義を認識・確立していくことで、ぼんやりしていた昭和遺産ラブホテルの定義が、もう少しはっきりするんじゃないか……そんな気がしています。昭和遺産ラブホテルと平成アーバンラブホ、それぞれがお互いの定義を確立するためにブラッシュアップされているように感じていて、もっと確固たるものにするには、今よりもたくさんの数を記録・観察しなければなりません。継続して、考察していきたいと思います。

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昭和ラブホ・平成ラブホ探訪家の「逢根あまみ(あいねあまみ)」が、マジメに、思いのままに、ラブホテルにまつわるあれこれを書き連ねる、“チラ裏的”ニュースレターです。
ラブホテルにまつわるニュース、ラブホレポート、エッセイ、コラムなどを月1〜3回配信。
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この記事を書いた人

昭和の趣の残るラブホテル=昭和遺産ラブホテルの記録・レポートをするユニット「終末トラベラー」主宰。昭和遺産ラブホテル、終末観光地の記録をしています。昭和遺産ラブホテル同人誌「あまみのラブホ探訪」の発行、トークイベントなどもしています。

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