訪問後2年以上経過している記事です。料金・内装・サービスなど、状況が変わっている場合があります。悪しからずご了承ください。
2018年7月の西日本豪雨。中国四国をはじめ、西日本の至る所に大きな大きな爪痕を残した。
ちょうどこのころ、岡山での展示とイベントを予定していたのだけれど、イベントは中止、展示は一週間遅れての開始となった。
展示の搬入は直接、岡山の会場へ伺った。せっかく岡山へ来たので、気になっていたラブホテルや、以前伺ったことのあるラブホテルなど、できる限り見て帰りたいと思っていた。被災していないか、ご無事なのか、気が気でなかったから。
3年ぶりの星の王子さま
およそ3年ぶりに「星の王子さま」を訪れた。
ここは本当に素晴らしい昭和遺産ラブホテルで、ビケンズベッドが制作したと思われるベッドがいくつか現存している。ここは近くに川もあるので、心配していたラブホテルの一つでもあり、絶対に安否を確認したい場所だった。
到着したのは、日も暮れ始めたころ。
遠くからでも確認できるくらい煌々と存在をアピールする看板に、ほっと胸をなでおろした。
さて、どこの部屋に入ろうかと思いながら、ガレージに向かったものの、ほとんどの部屋が埋まっていた。
盛況のようで安心したけど、入れないのはそれはそれで残念である。
建物の真ん中あたりがぼんやりと光っているのが見えて、部屋の写真パネルを確認する。
「なにこれ!?」と慌てて車を急停車させた。
この部屋、こんなだったっけ? webサイトに、こんな写真載ってたっけ? 記憶にまったくない写真パネルを見て、とにかく確認せねば! ……と大慌てで車をガレージに突っ込み、ダッシュで部屋に駆け上がった。
平成の世に生まれたアミューズメントベッド
水中をイメージさせるようなクロスが貼られた階段をバタバタと駆け上がり、その部屋へ入室した。
そこには、大きく口を開けて、今にも私を飲み込んでしまいそうなサメ……もとい、「サメベッド」がドドンと置かれている。
かなり大掛かりなもので、高さも結構ある。150数cmの私がすっぽりと入れるくらいだ。
ごろっと寝転び、天井を見上げると、サメの歯の向こうに水面が見える。
世界広しといえど、サメに喰われながら眠りにつく場所があるだろうか。
サメに喰われる、というシチュエーションをさらに楽しめるような工夫もされていて、ベッドサイドのスイッチパネルでブラックライトを点けたり、雷を再現したライティングなども実装されていた。
そんな鬼気迫る空間でありながら、クロスには有名なCGアニメのキャラクターが描かれていたり、氷河にヤシの木とテイストも場所もなにもかもがめちゃくちゃだった。
とにかく海っぽいものは全部詰め込んでしまえ!的なサービス精神は、昭和遺産ラブホテルから継承されているような気がする。
1985年のいわゆる新風営法施行の前後より、流行や新風営法の影響でこういった趣向を凝らした内装は衰退していった。
それらが新たに作られることは、たとえ法律や条令面で問題がなかったとしても、経済的な面やニーズなどを鑑みて、ほとんど叶うことはないのだと思っていた。
なのに、岡山にはこうやって新たに生まれ、存在していたのだ。
しかも、昭和遺産ラブホテルと言える部屋と、現代風なシンプルな客室と、新たに作られた趣向を凝らした客室とが、それぞれ共存して。
ちなみに、この部屋は元々、ロールスロイス風ベッドが配されていたはずで、そのころの写真は2018年現在も公式サイトで確認することができる。そして、これもおそらくはビケンズベッド製と思われる。
2020年4月現在、公式サイトはなくなり、写真も確認できない状態となっている。
下の写真は、当時公式サイトに掲載されていたものだ。資料的価値を鑑みて、保存していたものを転載させていただく。
退室時に、他の部屋に変更などないかも確認したかったのだけれど、満室だったためパネルは確認できず。
残念ではあるが、元気に、そして盛況で本当に何よりだった。また改めて訪れたいと思う。
まとめ
内装の変遷を垣間見ることのできる貴重なラブホテル!岡山でぜひとも訪れてほしい一軒。
休憩 5,950円 (夜間2時間ほどの利用)
利用料金、設備は2018年訪問当時のものです。料金は、利用日・時間帯によって変わります。この記事の限りではありませんのでご注意ください。
訪問後2年以上経過している記事です。料金・内装・サービスなど、状況が変わっている場合があります。悪しからずご了承ください。
星の王子さま 詳細
住所:岡山県岡山市東区一日市19web:http://hotel-prince.jp/
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